2015/09/24

雑感(新その1)

  • ごきげんワーゲン
     フォルクスワーゲンのディーゼル車排ガス規制チートはあまりに酷い、というお思いは如何ともしがたい。なんせ窒素酸化物排出量が規制値の40倍にも達するとあっては開いた口が塞がらない。自動車排ガス規制の厳しい欧州での謎とされていた近年の大気汚染悪化と本件は無関係とは見做されないだろう。場合によっては「環境対応機器を作動させない」とは常軌を逸する。近年の性能チートと言えば現代自、サムスンの代名詞と化しつつあったのだが、意外なところから意外な展開である。
     まぁ、ドイツ企業は結構えげつないのが多いからね。
     環境対応機器は投入エネルギーが大きいので、どうしても搭載車の性能低下を引き起こす。フィアット社のとある車種は、炭酸ガス排出量規制値(走行距離当たりの炭酸ガス排出量)を満足するためにエンジン制御仕様を変更したところ、実用レベルでトルク不足が発生して不興を買ったとも聞く。フィアット社のエンジンはイタリアの税制のtの兼ね合いで出力に比して排気量が大きいので、こんなことも起きるのだろう。
     いずれにしても「環境対応ディーゼル」の定義というか、有り様とでも呼ぶべきものの再考が強いられる。ちなみ第三者機関の調査によると、同じドイツ車でもBMWのディーゼル車種の排ガス中の窒素酸化物量は規制値以下だったそうだ。
  • 安保関連法案
     まずは成立を歓迎するが、やや拙速の感もある。とは言え、「声の大きい思考停止集団」がまるっとあぶり出された形になったのは意外な結果だ。「声の大きい思考停止集団」が本来あるべき議論を許さなかったという一面は否めない、本当に迷惑な存在である。
     日米安保というものを初めて知ったのは石川賢氏の漫画(確か)「ゲッターロボ」を読んで、小学生低学年のころである。劇中、「米軍が安保を理由に介入する」ことへの登場人物による言及があったのだ。読んですぐ、学校の図書館で日米安保条約について調べたことを思い出す。同様に、松本零士氏の漫画「パニックワールド」も同様に個人的には重要だ。物語は太平洋戦争中に東京に投下されたが不発だった「第3の原爆」の発見を起点に進む。劇中、「日米安保条約の破棄」に言及がある。とは言え主人公は「おいどん系」だし、「少年漫画」なので、人死には出るものの(おそらく意図的に)極めて少年の妄想とでも言うべき緩めの物語展開だ、お約束の謎の美女も出るでよ。近い時期に描かれた「デスバード4444」では安保破棄後の日本の状況が極めて狭い舞台内で描かれる。国籍不明の領空侵入機を強制着陸させたのは良いものの、日本はそれ以上の手を打てない。深読みすれば現代にも通ずる結構示唆的な内容にも見える。
     安保関連法案については、とにかく、「あるべき姿」「将来的にありたい姿」から議論を始めたい。憲法改正の議論も同様だ。日本のように、こうまで憲法改正の敷居が高い国は珍しい。例えばドイツは戦後何回憲法改正したのか、と言う話ですよ。

2015/09/18

Windows10環境なら Cubase Pro 8.0.30アップデートは吉

 Cubese Pro 8はまだWindows10対応していないが、最近公開されたアップデータ(8.0.30)はWindows10ユーザーなら当てておいて損はなさそうだ。

 8.0.20をWindows10上で使うと、音飛びが発生する場合があった。
  • Asio-Guard機能ををONにすると、音飛びが頻発
  • DirectX Full Duplex Driverを使うと音飛びどころの騒ぎではなく、どっどっどっって感じで周期的にしか音が出ない。
これらの症状は8.0.30アップデータでほぼ解消した。特に後者の発生はCPU負荷とは無関係だったが、アップデート後はCPU負荷が平均50%ぐらいのデータなら、1時間鳴らし続けても音飛びが発生しなかった。

 8.0.30アップデータでASIO-Guard機能がマルチCPUに対応したということだが、おそらくこの辺りが効いているんじゃないかと思う。

 ただCubase Pro 8がWindows10に非対応とされる原因は、Windows側の処理優先順位管理機能の変更にあるとされる。つまり、Windows7や8ではリアルタイム性が要求される楽曲再生処理を優先するようにCubaseから設定できたが、Windows10ではそうはできないらしい。

 とは言え、Windows10はMIDI、オーディオ周りがDAW向けに完全に再設計されている。Cubase ProのWindows10対応が本質的なものであれば、結構快適になるんじゃないかとの期待もできる訳だ。

2015/09/15

のっそりとメタルギア・ソリッド

 プレイヤーキャラクターのスネークの声が声なので、当初は「バトーさん!バトーさぁん」なんて声が聞こえてきそうな感覚がなかなか抜けなかった「メタルギア・ソリッドV ファントム・ペイン」です。メタルギア・ソリッドはスネーク・イーター以来なのでほぼ10年ぶりとなりますな。

 既存のゲームコンソールを前提としつつ、PC用に最適化もしてるようなので、グラフィックは総じて軽く、動作はサクサクです。手のアップなど見るに、良い意味でポリゴン数控えめ。

 問題はキー割り当てが最近プレーしていた類似のゲームと似て非なること、ここぞと言うところでキーを押し間違える癖がまだ抜けません。これはリアルタイムステルスゲームではけっこう致命的、これで完全ステルスでミッションクリアの筈が敵に見つかってしまい銃弾の雨あられなんてことにも。

 オープンワールドらしい面白さにはやや欠ける、との意見もありますが、これはこれでゲームとしては正常進化なんじゃないでしょうか。如何せんメタルギア・ソリッドシリーズに影響を受けたと思しき多くのゲームがオープンワールドを先取りしているので、なかなか新味性は出しにくいと思います。

 あ、あとムービーシーンは極力短くする方向となっているそうです。これは絶対正しい。
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メタルギアと言えば「ニューヨーク1997(Escape from New York)」。 

2015/09/04

Protools | First、エラスティックプラグイン動かず…

 以前のエントリで紹介したことがあるフリーで使えるDAW、"ProTools | First"のセットアップファイルのダウンロードの順番がやっと回ってきた。早速インストールしてみたのだが・・・。

 私の"ProTools"への興味は、「『エラスティック』の出来」の一点に尽きる。「エラスティック」はオーディオデータのピッチ、タイミング、テンポを変更する機能で、プラグインの形で本体とともに提供される。何に使えるかというと、例えばVocalodエディタから書き出したオーディオデータのピッチ補正だ。メインのDAWである"Cubase Pro"も同様の機能を持っていてピッチ補正には重宝するのだが、音の立ち上がりのタイミングや音自体の長さの変更といった時間方向の編集をすると波形がとたんに歪んでしまう。ノイズが被ったような音にすぐになってしまうのだ。

 で、「エラスティック」である。結論から言うと何も分からなかった。"ProTool | First"を速攻でアンインストールしてしまったからだ。理由は簡単で、よりによって「エラスティック」のプラグインだけが本体によって「動作しないプラグイン」に分類されて使えなかったのだ。

 Windows10のせいか?・・・う~ん、残念。

2015/09/01

東京オリンピックのエンブレムは白紙化されたが。

 佐野氏のコメントは
「私はデザインが模倣であるということで取り下げるのではなく、模倣では ないけれども、昼夜を問わず、自分と家族にいろいろな誹謗(ひぼう)中傷がなされることが続いている。 デザイナーとして五輪に関わるのが憧れ、夢だったけれども、今や一般国民からは受け入れられない。 むしろイメージに悪影響を及ばせてしまう。(デザイン)原作者として提案を取り下げたい」
だそうだ。

 まず 、佐野氏と彼の家族へのいろいろな誹謗中傷が無くなることを私も心から願っている。これは皮肉ではなく、私の偽らざる思いだ。

 さて、件の誹謗中傷が落ち着けば、佐野氏にもやっと多数指摘されているパクリ疑惑作品についてちゃんと説明する時間ができるだろう。パクリ疑惑の指摘は、氏が「パクリなんかしたことない」と述べたことに明らかに端を発している。つまり、多数のパクリ疑惑についてひとつひとつ説明するということは、氏が自ら選んだ道である。これも皮肉ではなく、自らの言行が招いた状況の収拾は社会的責任を背負った大人の当然の振る舞いだからだ。少なくともデザインのプロであるならば、他のことはしなくても自らのデザイン作品と自らの発言の引き起こした状況を収拾する最低限の責任がある。

 ただ、これまでの氏の言行を見ていると、「パクリ疑惑の指摘」も「誹謗中傷」に含んでいる可能性も危惧する。だがそれは、しょせん「お前の中ではな」に過ぎない。彼自身が引き起こした状況では、彼は傍観者にはなれても被害者にはなり得ない。「『根拠の無い』誹謗中傷」という表現を氏が使わなかった点も極めて心証が悪い。この種の誤魔化しは、こずるい子供や虚言壁のある人間の十八番である。「『根拠の有る』誹謗中傷」は常識的に誹謗中傷には当たらない。

 既にネット上では彼の発言に一種の「被害者面」を感じ取って拒絶反応も起きているようだ。それはそうだ。もし本当に自らを状況の被害者と見なしているなら、それは上述の通り、「彼が唯一やってはいけない勘違い」だからである。

 エンブレムの白紙化は、エンブレムに関わる状況の終了でしかない。氏が「パクリなんかしたことない」と述べたがために発生した状況は実際のところこれからが本番なのである、常識的にはね。

 それはそうと、「なぜこのデザインがオリンピックのエンブレムに相応しいと判断されたのか」について未だ誰も説明してくれない。

 ドットかピリオドかとかの話は業界人だけが笑える自慰行為、○○の舐め合いみたいなものでしかないので、個人的にはどうでも良いです。むしろ気持ち悪いからやめて欲しい。感性や論理に基づく話をして下さい、くだらないイデオロギーをただまくしたてられるのは不快です。

 私の思うところのオリンピックエンブレムに求められる効能の一つは、一般の日本国民を含む様々な人々の気持ちや力を、例えば「オリンピックを成功させよう」といったプラス方向に良い意味で収斂させるためのシンボルたり得ること。オリンピックはある意味口実であって、効果はあらゆる分野に波及していって良い。

 だから、「一般国民に理解できないエンブレムのデザイン」は、その時点でオリンピックエンブレムの資格すら無いと言えるでしょう。さらに言えば、「一般国民に理解できないエンブレム」をデザインした時点で、そのデザイナーはデザインに求められているものを理解していないと言う意味で職業人としては全くの失格者と言えるでしょう。もちろん選んだ人間も同様。

 本当に力量の有るデザイナーなら、「一般人にも理解でき、アートとしても優れているデザイン」をクリエイトできるでしょうにね。